Tuesday, February 03, 2015

追悼

「目を閉じて、じっと我慢。怒ったら、怒鳴ったら、終わり。それは祈りに近い。憎むは人の業にあらず、裁きは神の領域。ーそう教えてくれたのはアラブの兄弟たちだった」

後藤健二

残虐非道な結末に、動揺しています。でも、この後藤さんの遺した言葉で、思いました。

9.11以降、悲しみから憎悪に変わった泥沼の対テロ戦争が、殺戮という憎しみの連鎖を繰り返し続けているということ。後藤さんが命を賭けて伝えてきたもの、それは、そうした悲しい連鎖の中で、懸命に生きている子どもたちの命の重さ、輝き。そして、今回の後藤さんのことを受けて、私たち日本人のすべきことは、アメリカ諸国が突き進んできたような対テロ戦争では決してないはず。テロを生み出す憎しみの連鎖を断ち切るために必要なのは、武力ではないはず。後藤さんも、悲しみの連鎖を断ち切りることを必死で望み、活動されていたのだと思います。そんな後藤さんの殺害映像は私の脳裏にも焼き付いて消えませんが、今回のことで、私たちが憎悪を抱き、憎しみの連鎖の輪に入り込んでしまっては後藤さんの死があまりにも無為なものになってしまうと思います。私たち日本人だからできる、国際社会における平和への道筋を探していかなければと改めて思います。

私には、少なくとも、15人のイスラムを信仰している大切な人がいます。皆、笑顔がきれいで、心優しくあたたかい人たちです。今回のことを悲しむ気持ちも私たちと変わらないと思います。イスラム教=イスラム国ではないことは、述べるまでもありません。

後藤さんへの追悼の気持ちを込めて。