Tuesday, April 22, 2003

お別れの時間

自分がこの世に存在しているんだということを感じさせてくれた最後の一週間。お別れ会をいくつしてもらっただろう。どこか新しい場所へ行く人と、一緒に座り、食事をし、話をし、最後に同じ時間を共有し、そして見送ってあげようという感情は日本人もパプアニューギニアの人も同じみたい。

1年前にはAllanとhiroが出迎えてくれた空港。たくさんの人とさよならした空港。今日は自分が見送られる番。ずっとこらえていたものが、最後の最後の瞬間、溢れてきた。ありがとうという短い言葉に、どれだけの気持ちを託すことができるのかわからないけれど、それ以外の言葉が浮かばない。

飛行機の扉が閉まり、機体が進行方向へ動き出すと、出発ロビーや、外のフェンス越しから、手を振ってくれる人たちの姿がはっきりと見えた。見送りに来て は、同じように飛び立とうとする友人へ手を振っていた私は、見えない飛行機の中を見ていた。ちゃんと中から見えていたんだなって、初めてわかった。離陸し て、空の上から、たった今まで暮らしていた町を見た。青い海と椰子やカカオの緑に包まれた美しい町と人たち。ぐるぐるとこの1年間を思い出していた。大変 なことや悲しいことだってなかったわけじゃない。でも全部ひっくるめて、ここへ来れてよかった。最後の一週間のピンと張っていた気持ちが溶けて、思い出か 夢かわからない気持ちでいつのまにか眠っていた。