Monday, April 21, 2003

散歩



朝からカンカンに晴れていて、最後の洗濯物もお昼前には乾きそう。メリブラウスに着替えて、ラップラップを腰に巻いて、椰子のバスケットにお花を入れて、散歩に出掛ける。3人のかわいらしいお供がくっついてきた。

途中で見つけたハイビスカスのお花とお供の女の子たち

最後の一日にすることは決めていた。そのためには、村の真ん中の道を歩いていくことになるから、間違いなく挨拶にもみくちゃにされる。それも知っていたから、
ちょうど村の人とのお別れの挨拶にもなっていいと思っていた。

イライラ教会 道すがら、明るい水色の看板のイライラ教会の前を通る。イライラとはその辺りの地名だけれどそれを見るたび、イライラする気持ちからはほど遠いこの町の人たちに、日本語の"イライラ″に相当する言葉はあるのかな、って思う。その日はあんまり日差しが強かったので、
途中2回休憩をした。同じ道のりがお供の子どもたちの小学校への道だから、休憩する木陰も決まっているらしい。あとどれくらい?、あの角を曲がったら、と同じような問答を何度か繰り返した。

1 時間後、ようやくおばあちゃんのところへ辿り着いた。真新しい虹色のシーツですぐにわかった。しばらく腰を下ろして、心の中でお話した。子どもたちにもこういう気持ちがわかるのか、さぁ、行こうかと私が声を掛けるまで、ただ静かに一緒にいてくれた。

私の住むこの町には、なんとも言えないゆっくりとした時間の流れがある。世界中みんな、同じだけの時間を持ってるはずなんだけど、ここの人たちはあんまりそれを切り刻んだりしなし、従ったりもしない。悠々と時間の上で暮らしている。時間があるっていうのは、いろんな余裕みたいなものを生み出してくれるのかもしれない。散歩ひとつでもらう、惜しみない優しさ、惜しみない挨拶。この気持ちを、この景色を、懐かしく想うんだろうな。